ISO14001とは
ISO14001とは製品の製造やサービスの提供など、「組織の活動による環境への負荷」を最小限にすることを目的とした国際規格です。
環境保全の仕組みとしては、法規制がありますが、これは国が環境影響を評価し、罰則を設けた法の制定によってその目的を達成するといったものです。
一方、ISO14001は、組織自身の活動による環境影響を評価し、継続的改善による仕組みによって、環境保全の目的を達しようとする取り組みです。あくまでも自主的な取り組みによっておこなわれるものですので、審査機関による審査により、不適合が見つかっても、罰則があるわけではありません。
ISO14001の骨格については、次の通りです。以前はマネジメント規格ごとに章構造・テキスト・用語が異なっていましたが、2012年に「ISO/IEC専門業務用指針」が改定され、すべてのマネジメント規格において共通のものがつかわれるようになりました。このことにより、複数のマネジメントシステムを持つ組織では、マニュアル等の統合・共通化が可能となりました。これをハイレベルストラクチャー(HLS)と呼びますが、ISO14001も2015版以降この形式に則って作られています。また、ISO14001規格では80の要求事項が定められています。
0.1 | 背景 | 7 | 支援 |
0.2 | 環境マネジメントシステムの狙い | 7.1 | 資源 |
0.3 | 成功のための要因 | 7.2 | 力量 |
0.4 | Plan-Do-Check-Act モデル | 7.3 | 認識 |
0.5 | この規格の内容 | 7.4 | コミュニケーション |
1 | 適用範囲 | 7.5 | 文書化した情報 |
2 | 引用規格 | 8 | 運用 |
3 | 用語及び定義 | 8.1 | 運用の計画及び管理 |
3.1 | 組織及びリーダーシップに関する用語 | 8.2 | 緊急事態への準備及び対応 |
3.2 | 計画に関する用語 | 9 | パフォーマンス評価 |
3.3 | 支援及び運用に関する用語 | 9.1 | 監視,測定,分析及び評価 |
3.4 | パフォーマンス評価及び改善に関する用語 | 9.2 | 内部監査 |
4 | 組織の状況 | 9.3 | マネジメントレビュー |
4.1 | 組織及びその状況の理解 | 10 | 改善 |
4.2 | 利害関係者のニーズ及び期待の理解 | 10.1 | 一般 |
4.3 | 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定 | 10.2 | 不適合及び是正処置 |
4.4 | 環境マネジメントシステム | 10.3 | 継続的改善 |
5 | リーダーシップ | ||
5.1 | リーダーシップ及びコミットメント | ||
5.2 | 環境方針 | ||
5.3 | 組織の役割,責任及び権限 | ||
6 | 計画 | ||
6.1 | リスク及び機会への取組み | ||
6.2 | 環境目標及びそれを達成するための計画策定 |
ISO14001構築の手順は?
1環境方針の策定
組織の環境に対する取り組み方針を決める
2リスクアセスメント
環境側面の洗い出し
評価
対応策の決定
3運用
4評価・改善
運用を評価し問題があれば改善を行う
ISO14001では著しい環境側面の管理と順守義務が課せられていますので、リスクアセスメントについては、十分な理解と不足ない対応が必要です。
ISO14001は組織にどのようなメリットをもたらすのでしょうか?
1 リサイクルの推進による材料費・処分費の節減が見込める。
2 エネルギー消費の低減によるコスト削減が見込める。
3 歩留まりの向上が見込める。
4 企業イメージ・社会的信頼性が向上する。
5 認証組織間でのコミュニュケーションの向上が期待できる。
6 新規市場の開拓につながる。
ISO14001以外の環境規格について
ISO14001以外にも環境に関するマネジメントシステムがあります。
これらの環境マネジメントシステムは、ISO14001を意識したつくりとなっていますが、段階を追った認証制度や、低廉なランニングコストなど取り組みやすいものとなっています。
エコステージ
エコアクション21
KES(京都環境マネジメントシステム)
M-EMS(三重環境マネジメントシステム)